2006年度交流戦 第一日
交流戦の舞台は、唐木田が最寄駅。筆者の住んでいる町からは、横浜市営地下鉄と小田急江ノ島線を乗り継いでいくことになる。だが、この江ノ島線。稀にしか利用しないため、快速急行などという電車が出来ていることすら知らなかった。乗ってみると速い速い。新百合ヶ丘での乗り継ぎも便利。あっという間に唐木田到着。駅前で横断歩道を渡ろうとすると、ジャージ姿の女性が。あれはもしかしたら、などと思っていると挨拶をしてくださった。こちらもあわててお辞儀をし会場へと急ぐ。バスケ観戦は半年ぶりとなるため、頭がついていくかどうか、いくばくかの不安をかかえながら、第一試合のティップオフを迎える。
伊藤忠46(8-15/9-23/15-27/14-23)88山形 伊藤忠は1Qの残り1分台までは先行。速攻から登の見事なストップジャンプシュートなどで元気のよさを見せつけるが、後半になるとパスがなかなか通らなくなり残り4分台から5連続失点。山形はG渡邊(明)がスピード、C遠藤がリング下の強さを誇示。2Qに入ると、山形のDEFがアジャストしてきたためか、伊藤忠は楽な体勢でシュートが打てなくなる。篠原の早めの3pt、藤島のDEFの頭越し3ptが決まるものの、山形に渡邉(明)のスピードを生かしたプレーなどで点差を広げられる。
3Q序盤、伊藤忠は登、渡辺の得点などで息を吹き返したかに思われたが、外郭のDEFが甘くなったところを山形の立花とG石塚などがすかさず3ptを決め、このピリオドだけで3ptを5本成功させるなどして山形がリードを広げる。4Q出だし、登が攻め込んでも、前にすでにDEFが二人立ちはだかっており、ベンチからは「ノボリ、スペース広くしろ」との指示が飛ぶ。DEFを崩しきれなかったこの試合を象徴するような場面だったように思う。とはいえ、6;57には、スピードのある立花を登が振り切り、シュート、リバウンドをとった渡貫がゴールを決めるなど、素晴らしい攻撃も見られた。
全体的に、攻撃の仕掛けが単発に終わったような印象が否めないか。とはいえ、苦しい戦いのなか、センター渡辺が(たぶん)12得点を上げたのに加え、攻撃の起点となった登が、相手DEFに手を焼きながらも、3ptを2本決めたほかそこかしこに良い動きを見せていたのはリーグに向けた好材料となろう。一方、山形はこの試合、3ptが(たぶん)10本決まるなど、外郭からの攻撃が威力を発揮した。
クラヤ48(14-12/17-29/13-18/4-22)81秋田 クラヤの1Q、白田が3pt2本や楠田へのアシストなどで活躍。上々の滑り出しを見せる。2Qも楠田の頑張り、大崎のファーストタッチ(?)「いきなり3pt」のなどもあってずっと数点差で推移していくが、だんだんとパスのつながりが悪くなり、残り3分を切ってから、秋田に離されてしまう。3Qも押され気味の展開となるなか、残り5分台、クラヤは早い時点でのターオーバーが立て続けに出てしまい18点差。身体的持久力と同時に、精神的持久力で差をつけられた感があり、4Qにはいっても流れを引き戻せずにそのまま試合終了。結果的に大差がついてしまったが、白田のバージョンアップ、そして昨季はおそらく怪我を抱えていたであろう斉藤(知)が完全復活した点が喜ばしい。
三井住友43(15-13/8-7/6-10/14-25)53山形 会場がかなり蒸し暑かったこともあってか、両者とも攻め苦しんだ展開。三井住友は1Q、渡邉、益田のインサイド陣が得点を重ね、4:05には12-7と12点リード。だが、山形もG渡邊(紀)のブザービーター、FW立花の見事なフェイダウェーを含む2ゴールなどで追い上げる。2Qに入ると三井住友の新人選手が投入され新野がすぐに得点するが、その後のスコアの動きは両チームともいまひとつ。終了間際、山形C高橋がバスカンを決め、三井住友3点リードとなって後半へ。
3Qに入ると、ルーキー新野の今日2ゴールめ、山形のG渡邉(紀)の3ptが決まるが、ロースコアのまま一進一退。4Q序盤、三井住友は山下の3pt、渡邊の連続得点、益田のORなどから得点を重ねる。6:15には40-35と三井住友が5点リード。このまま逃げ切るかに思われたが、残り4分台から、山形のガード渡邊(明)、センター渡邉(千)らに立て続けに得点され20失点。特に1:02から連続8失点するなど一気に離されて試合終了。最後は、もうちょっと粘って欲しかったようにも思う。
丸紅71(27-22/11-12/20-19/13-20)73秋田
32と6は元早稲田PG先輩後輩対決!プレシーズンマッチとは思えないような激しい試合。秋田が大畠、福田、それから21番、88番、10番(氏名不明)などが役者っぷりを発揮すれば、新人を4名くわえた丸紅も激しいプレスディフェンスをかけつづけ一歩も引かない。熱い名勝負となった。1Q、秋田は180cmの石岡を出さず、機動力重視の布陣でアウトサイドの選手が得点を重ねる。丸紅は平間がバスカンやミドルを決めるなど動きのよさを見せる。2Q終盤、丸紅は横山が立て続けに強気の攻めを見せると、最後、ドライブで切れ込んだ椎木がマイナスのパス、佐藤の正面3ptを演出。この攻めは素晴らしかった。
3Qに入ると、秋田はついに石岡を投入。それに対して、丸紅は椎木が無駄のない動きから得点を重ねる。3:28には49-49と同点となるが、岩波、佐藤の得点で、5点リードとし最終ピリオドへ。4Q、9:00で、秋田は大畑の得点によりついに60-61と逆転。5:27には64-69と秋田5点リードとなるが、丸紅もここから横山、椎木、岩波の得点で追いつき、0:40には71-71の同点。0:21、秋田石岡の得点により2点ビハインドの丸紅。残り3秒、最後のシュートが落ち、悔しい惜敗。
丸紅は新人選手がすでにチームにフィットしている印象。特に佐藤のすばしっこさ、また小さいのにもかかわらずリバウンドを取ってしまうあたりに目を引かれる。大畠とのマッチアップも見ごたえがあった。また、椎木の仕上がり具合も、去年に比べて早いかもしれない。いずれにせよ、非常にスペクタクルな試合を見せてくれそうな好チームとなった感がある。秋田で一人挙げるとすればやはり、福田。鷺宮時代よりもさらに凄みをました感があった。
第二日
昨日と同様、湘南台から小田急に乗りこむ。だが、ボーっとしていたためか、車掌さんのアナウンスを聞いているうちに、「これはもしかして鈍行で、次に来るのが快速急行?」と思ってしまう。あわててホームに降りる。背後で閉まるドア。電光表示を見ると、勘違いだった。しまった、次は鈍行。しかも相模大野で乗り換えしなければならない。結局、第一試合の後半開始あたりから見られるはずだったのが、試合会場に着いた時はすでに第二試合の開始直後。思いもか掛けぬ不覚をとったとの思いを強くしつつ、ボールの行方を追いかける。
丸紅64(17-18/17-10/12-17/18-13)58山形 1Qは後半になって点を取り合う展開。ルーキー杉原の3pt(昨日も何本か決めていた)、そして得点にはならなかったものの渡邉のドライブからのレイアップシュートが印象に残る。2Q前半、山形の攻撃、3人が絡んだプレーからFW立花が得点するなどパスワークが冴えるが、丸紅も横山の3pt、宮本、椎木などで対抗。1点差勝負で推移する。だが、残り4分台から丸紅のプレスDEFが5回(?)連続で決まり、山形PGをバックパスに追い込むなど、全実で関東勢がなかなか勝てなかった相手を3分余りにわたってシャットアウトする一方、椎木、岩波らが得点を重ね6点差にリードを広げる。
3Qに入ると、山形は立花、C高橋の得点などで追い上げ、再び1点差に迫られ最終ピリオドに。4Q、山形が高橋を中心に得点してきたのに対し、丸紅は3ptが炸裂。宮本、横山2連続、杉原と計4本積み重ねるなどして5:59には60-51。特に、横山の2本目は、椎木が正面から相手をひきつけつつドライブ、完全にフリーになった横山へ絶妙のパスを供給して生まれた好プレーだった。その後、2分台には6点差に迫られるが、最後は宮本が巧みなゲームコントロールからFTをもらうプレーを2連続で成功させ、陸奥の強豪にとどめを差した。昨日、両チームを観て、「勝てる」と思いつつ臨んだ試合。期待通りの結果を出してくれたことを喜びたい。山形で印象に残ったのは、立花。高さ、速さ、うまさのバランスがよいと思った。
秋田が20点差以上をつけて、春の関東大会4強の専修を破った第三試合では、今回久しぶりに(ちゃんと)見た大畠の千両役者っぷりを堪能。魅せる動きをするなとつくづく感心。最初に目撃した早稲田の3年のとき以来注目していたが、今見てもやはり、観客として自分が観たいプレーを繰り広げてくれる選手であるのは変わらなかった。
公式スコアはこちら(関東実連HP)